相手に合わせる保健指導の落とし穴

 

 

私たちが看護を学んでいた学生のころ、

先生たちからよくこういう指導を受けましたよね?

「患者さんの個別性に合わせなさい」って。

 

例えば、同じ病名の患者さんでも、

症状や病期や合併症などの条件によって、

治療内容が違ったりしますから。

 

同じ薬で治療していても、

体質とか体力とかで副作用の現れ方だって違ってきますし。

 

私たち看護職は学生のころから、

その患者さんに一番よいと思われる看護をおこなうために、

性別、年齢、価値観、家族関係、生い立ちなどかなりプライベートな内容まで踏み込んで

看護計画を立てることを叩き込まれてきました。

 

 

私は今、看護学校で非常勤講師をしているんですが。

講義の後に学生に書いてもらっているリフレクションシートにもたびたび、

「患者さんに合わせた看護が・・・」とか、

「対象者によってやり方を変えないと・・・」など、

患者さんの個別性を意識したようなコメントが出てきます。

 

今でも看護学生にはそういう教育がされているんですね。

 

 

念のため言っときますけど、私だってそれを否定したいわけじゃありませんよ。

 

そうじゃなくて。今日は、

「相手に合わせようとし過ぎて落とし穴に落っこちることもありますよね?」

というお話です。

 

 

 

 

例えば・・・

素直で、優しくて、真面目で、聞き上手な看護職が保健指導をしていると、

ときにこんな状況に陥ったりします。

 

 

保健指導に来た対象者が不機嫌だったり尊大な態度を隠そうとしないので、

看護職の方がなんとなく遠慮してしまって言いたいことが言えなかった
( ̄_ ̄;)

 

フレンドリーでおしゃべりな性格の対象者が次々と話し続けるので、

看護職が口をはさめず、指導に必要な話ができなかった
(^_^;)

 

対象者が、もともとおとなしい性格なのか保健指導に無関心なのか、

黙って話をきいてくれるけれど反応が薄くて、

看護職がひたすらしゃべり続ける展開になってしまった
(>_<。)

 

看護職が何を話しても、巧みに逃げたり言い訳に終始する対象者で、

最後まで行動目標を決めてもらえなかった
( ̄_ ̄|||)

 

 

はあ~、想像するだけもどっと疲れが出てきそうな展開ばかりですが・・・

ちなみに、これらの事例は全部、

私が何度も落っこちた落とし穴の話です(笑)

 

 

どのケースでも、看護職として相手に合わせた保健指導をしようとするのですが、

どういうわけか相手に振り回されてしまいました。

 

予定していたような展開にならずに慌てるばかりで、

保健指導が終わると疲労感・徒労感しか残りません。

 

最悪の場合は、

「ちゃんとできない私は情けない」という挫折感に

襲われてしまうこともあって。

 

 

もし、こんなことがたびたびあったら誰だって

「保健指導するのが嫌だな~」とか、

「だから保健指導って苦手」っていう

感情がわいてくるのも仕方ないと思うんですよね。

 

 

じゃあ、保健指導をしていてこんな落とし穴に落っこちないために、

どうすればいいんでしょうかね?

 

「相手を無視して、こっちがやりたいようにゴリ押しする?」

そんなわけありませんよね(笑)

 

 

今だからわかるようになったんですが、

落とし穴に落ちないために必要なのは意外とシンプルなことです。

 

それは「看護職が保健指導をコントロールする」ということ。

 

大事なことなのでもう一度確認しておきますが、

対象者の個別性に合わせて看護(保健指導)をおこなうのはとても大切です。

 

しかし、それは対象者に振り回されることとは別物なんですよね。

 

私たち看護職が、

「対象者の個別性を尊重し、対象者に主体性をもってもらいつつ、

保健指導全体のコントロールを握っている」

という感覚をもっていれば、

相手に振り回されにくくなるということです。

 

もしも保健指導が、

こちらが説明したかったことが話せなかったとしても、

相手の話をひたすら聞くだけで終わったとしても、

対象者に行動目標を決めてもらうことができなかったとしても。

 

看護職自身が保健指導をコントロールしていたという実感があれば、

こういう保健指導もありだと受け入れて納得できますからね。

あとで疲労感・徒労感・挫折感に襲われることはありません。

 

 

それでは、看護職が保健指導をコントロールするにはどうしたらいいでしょうか?

 

「豊富な専門知識を駆使して相手を圧倒する?」

まさか、そんなわけありませんよね(笑)

 

 

保健指導をコントロールするのに、

相手を圧倒するほどの知識は必要ありません。

そりゃあ、あるにこしたことはありませんが、

なくても大丈夫です。

 

それよりも必要なのは「事前の戦略」ですから。

「戦略」とは、保健指導計画でも、単なる事前準備でもありません。

 

「もっとリアルな対策」というニュアンスです。
(^▽^;)

 

例えば、対象者のことをよく知っているなら、

事前に落とし穴のありかも予想がつきますから、

落ちないように対策を考えておきます。

 

あるいは、初めて会う対象者のときは、

対策パターンをいくつか用意しておいて、

保健指導の場で状況を見ながら軌道修正していければ、

慌てて落とし穴に落ちてしまうことを防げます。

 

 

じゃあ、その「戦略」はどうやって立てるのか?

実はここから先は、

ノウハウを知ってもうまくいくとは限らない話なんですよね。

 

看護の業界では、

先輩のやっているのをまねして自分でも試してみたけれどうまくいかなかった、

ということがよくあるじゃないですか。

 

保健指導にまつわる様々なお悩みやお困りごとの解決方法も、

看護職の個性とか置かれている状況によっても合う合わないがありますし、

それこそ看護職一人一人の個別性に合わせて対応することが必要なんだと思います。

 

もしあなたが、その部分を一人で解決しようと努力していて、

イマイチうまくいってないなと感じているなら・・・

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