質問のその先が大事

保健指導は、こちらからの押し付けではなく、

対象者の考えや想いを引き出すことが大事。

・・・といわれていますよね。

だから、私たち看護職は、

対象者から引き出すために質問をします。

もしうまく質問できなければ、

対象者の考えを引き出せないので、

「何を質問しようか」とか、

「どう質問しようか」とか、

日々、工夫してらっしゃるかもしれませんね。

その一方で、

「質問を心がけているが、話が続かなくなってしまう」とか、

「うまく質問できてないような気がする」とか、

お悩みのご相談をいただくことも多いです。

もしかして質問の後、

たとえばこんな展開になっていませんか?

 

 

 

 

<例1>

何かやってみようと思うことはありますか?

う~ん、やっぱりウォーキングがいいですかね?

はい。ウォーキングは1日30分でいいですよ。
できれば毎日やるのがいいですが、
せめて週に3日はやってほしいです。
ウォーキングをやっている方は多いですし、
〇〇さんもぜひやってみたらいいんじゃないかと思いますね。
できそうですか?

ええ、まあ。週に3日ですか?

そうです。
もし通勤でも歩けるなら週5日はできますよね。
バス停一つ手前で降りて歩くとか、
駅から家まで少し遠回りして歩いている方も
いらっしゃいますし。
手軽でお金もかからないですから、
試しに始めてみて続けやすいのでお勧めです。
(そしてさらに説明が続く)

<例2>

貧血がありますね。ご存知でしたか?
もう治療をしたほうがいいレベルだと思いますよ。

会社に入ったころから貧血だって言われてて。
ときどき鉄分のサプリを飲んでいます。

サプリではダメなんですよ。
貧血の予防的に飲むならいいかもしれないですけど、
サプリは鉄分の量が少なすぎるんです。
何か気になる症状はありますか?

特に症状はないです。

そうですか?
ずっと貧血なので体が慣れてしまったのかもしれませんね。
疲れやすいとか、階段を上ると息切れがするとか、
何か症状があると思うんですが。

そういえば、階段を上るとちょっと息切れしますね。

それならやっぱり治療をしたほうがいいですよ。
薬を飲めばわりとすぐ症状はよくなりますから。

<例3>

食事の面で何か気になっていることはありますか?

そうですね、残業が多くて夕飯が遅くなるんですよね。
それでつい食べ過ぎちゃって。
よくないなと思ってるんです。

そうなんですね。間食はどうですか?

間食はほとんど食べませんよ。
だから家に帰るとお腹が空いちゃってて。

なるほど。
では、夕食は何を食べていますか?

家族と同じものです。
子どもがいるんでカレーやハンバーグとかですかね。
出された量が多いなと思うこともあるけど、
残すと妻に悪い気もするので。

そうですか。
ちなみにお昼ご飯は社食ですか?

 

 

 

 

あくまでも例なので、

ちょっと極端ですけど(笑)

<例1>は、看護職が説明したいことがたくさんある、

あるいは説明しなければいけないと思っているときに

起こりがちなパターンです。

対象者さんの一言に対して、

看護職が食いつき気味にたくさんしゃべってますよね。

対象者さんにしてみたら、

いちいち食いつかれて、延々説明をきかされて、
ウザいし疲れるからもう質問に答えるのやめよう。

って感じになりがちです。

<例2>は、受診勧奨などで起こりがちなパターンですね。

看護職が求める結論に導きたいという思いが強くて、

食い下がるように質問を重ねてしまいます。

対象者さんの立場からすると、

最初から決まっている結論がミエミエで、
何を答えてもどうせ関係ないんだから、
もう答えるのやめよう。

となりやすいです。

<例3>は、生活習慣の聞き取り中などに起こりがちですよね。

看護職はアセスメントや改善策を提案するために、

細かく情報を集めることに気をとられています。

対象者さんがヒントになることを話してくれていても、

それをスルーしちゃってますよね。

対象者さんも、

自分が話したいことはスルーされて、
あれこれ根ほり葉ほり調査されてるみたい。
なんかもう話したくなくなってきた。

って気分になりそうです。

・・・ということで、もうピンときてますよね(笑)

つまり、質問がうまくないとか、

質問の仕方がよくないとかではなくて。

質問して、対象者から返答をもらったら、

それをどう受け止めて、どうリアクションするか、

ということ。

“質問のその先が大事”なんですよね。
(^_^)

当事務所の保健指導通信講座の受講生さんたちも、

講座の自己ワークや個別面談の中で、

保健指導場面を再現してみたら、

例にあげたようなやり取りになっていた!

と気づくことがよくあります。

ある受講生さんが、

「そういうことだったのか~」

と納得されたあとの笑顔が印象的でした。

保健指導通信講座の受講生募集は

まもなく(4月)の予定です。

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