以前からときどき、看護職の方から、
こういうご質問をいただいていました。
「カウンセラーは役に立つ”資格”だと思われますか?」
「カウンセラーの”資格”を取ったほうがいいですか?」
もっと自分のスキルを上げようと考えたとき、
カウンセラーの”資格”を取ろうと思う方が多いようですね。
ちなみに、私も同じように考えていたので、
十数年前に産業カウンセラーの”資格”を取っています。
そのうえで、このようなご質問へお答えするには、
2つの側面があると思うのですね。
1つ目は、「資格」として役に立つかどうか?
2つ目は、「スキル」として役に立つかどうか?
「資格」として役に立つかどうか?
この側面からとらえたときの私のお答えはこうです。
“資格”として役に立つかどうかというと、
微妙です(笑)
私も資格を持っている産業カウンセラーを例にお話しますね。
もし「産業カウンセラー」を名乗って仕事をするなら、
日本産業カウンセラー協会に登録しなければなりません。
そして数年ごとに研修の単位をためて
資格更新する必要があります。
ちなみに、研修にも費用が掛かりますし、
登録や更新にも登録料や更新料がかかります。
そのわりには「カウンセラー有資格者」の求人って、
あまり見かけませんよね。
例えば、産業看護職の求人の要件として
「カウンセラー資格」がついていることもないです。
「カウンセラー資格」を持っていれば、もしかして、
採用の決め手になるかもしれませんが。
一方、すでに産業看護職の方が、
「カウンセラー資格」を取ったとして、
資格手当がつくなど給与面で優遇されることも、
残念ながらほとんどないと思われます。
(あくまでも今田の経験上の話ですが)
産業看護職はすでに、
「保健師、看護師の資格」をもっていますし、
「カウンセラー資格」があろうがなかろうが、
メンタルヘルス相談ができます。
ということで、
「カウンセラー資格」が「資格」として、
役に立つのかどうかは微妙だな、
と個人的には思っています。
ただね~。
一般の人たちは、メンタルヘルスの対応は、
カウンセラーしかできないと思っているらしく・・・
(看護職ではムリと思われてる???)
私が独立したばかりのころ経営指導を受けたときに、
「産業カウンセラー資格を持っているなら、
それをもっと強く押し出すように」
というアドバイスを受けたこともありました。
とんちんかんだと思うけど、
それが一般の人の認識のようです。
「スキル」として役に立つかどうか?
もう一つの側面、
「スキル」を習得するという意味では、
こうお伝えしたいです。
私は、なかなか役に立つ「スキル」を
身につけられたと思っています。
ちなみに私は半年間、
産業カウンセラー講座に通って勉強しました。
勉強する前はメンタルヘルス相談も自己流で、
いまいち自信が持ててなかったです。
でも、カウンセリングの仕組みや考え方などを
系統立てて、集中的に学んだことで、
同じことをやっていても
自信をもってやれるようになりましたね。
受講中は毎週のようにカウンセリングのロールプレイをやって、
「傾聴」スキルが鍛えられたと実感しています。
当時、傾聴一辺倒のやり方を叩き込まれているときは、
「ちょっと強引だな~」と思わなくもなかったですが(笑)
おかげさまで今では、
「傾聴」が私の得意技になってます。
(^_^;)
それと、これは番外編ですけど・・・
カウンセリング場面をロールプレイするにあたり、
交代でクライアント役もやりました。
そのときは自分が現実に抱えている問題を相談して、
カウンセリングを受けていました。
それがけっこう“癒やし”になってましたね(笑)
新型コロナの感染拡大は、
やや落ち着きを見せ始めてきたでしょうか。
緊急事態宣言は継続されていますが、
地域ごとに休業要請が一部解除になって。
静かに、少しずつ、様子を見ながら、
新型コロナと共存する社会生活のあり方を探して、
次の試行錯誤が始まるんですね。
誰もがうすうす気づいているように、
「with コロナ」、「after コロナ」の世界では、
働き方が変わっていくでしょう。
それに伴って、産業看護職に求められることも
変化があるだろうなと思います。
そのとき、カウンセラーの資格が、
役に立つ「資格」なのかどうかは微妙ですが(笑)
そのときにも、役に立つ「スキル」として、
カウンセリング技術を勉強して損はないと思います。
・・・と、私はお答えしています。
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