先日、ユニクロで買い物をしていたときのことです。
背後から突然、声が聞こえてきました。
「あのう、着用するところってどこかねぇ?」
私が話しかけられたのかと思って、
は? 着用するところ??
ああ、試着室のことか!
慌てて頭の中で考えながら振り返ったら・・・
そこには、紺色のズボンを持った高齢の男性と、
若い店員さんが向かいあって立っていました。
なんだ、私に話しかけたんじゃなかったのね。
( ̄▽ ̄;)
で、その後どうなったかというと。
その若い店員さんは笑顔で、
「はい、着用するところですね。ご案内します。こちらへどうぞ」
軽やかにそう言って。
二人はお店の奥のほうの
“着用するところ”へ向かっていったのでした。
そして私は、そんな二人を見送りながら、
「いい店員さんだな~」って。
そう思った理由を説明する前に、
もう一つのエピソードをお話させてください。
昔、一緒に仕事をした看護職Aさんのクセが気になって、
ヤキモキしてしまったことがありました。
どういうクセかというと。
例1.健診の再検査で採血にきた対象者さんとの会話
健診で何が引っ掛かったか覚えてますか?
コレステロールでしょ。悪玉が高いって言われて。
LDLコレステロールが高くて、
HDLコレステロールが低いですね。
それで再検査になったんですよ。
(今田の心の声)
対象者さんの目が点になってるよ。
何のことか理解できてないのかも。
例2.症状があって受診にきた対象者さんとの会話
昨日から頭が痛くて。熱もあったんです。
昨日から頭痛と発熱があるんですね。
えっ、あっ、そうです。
頭痛と発熱です。
(今田の心の声)
わざわざ「頭痛と発熱」に
合わせさせちゃったみたい。
例3.健康相談での対象者さんとの会話
夜よく眠れないんですよ。
不眠があるんですか。
いや、不眠というほどでもないですけど。
(今田の心の声)
この人にとって、
“夜よく眠れない”と”不眠”は
違うものなんだろうな。
どうでしょうか。
私がヤキモキしてしまったのはなぜか、
ピンときた方もいらっしゃるかもしれませんね。
看護職Aさんのクセは、
--------
対象者さんの言った言葉を
専門用語に変換して受けとめる。
--------
というものでした。
きっと看護職Aさんとしては、
対象者さんの言ったことを受けとめて、
投げ返していたんだと思います。
でも、対象者さんのほうは、
“コレステロールの悪玉”と、LDLコレステロールが、
同じものをさしていると理解してなかったり。
“不眠”のほうが、”夜よく眠れない”よりも深刻な状態だ、
と位置づけていたり。
そこに微妙なズレが生じているんです。
そばで聞いていた私ですら違和感があったほどなので、
「対象者さんはどう感じたのかな~」
と、すごく気になってしまいました。
冒頭の若い店員さんは、
「着用するところ」を「試着室」と言い直さずに、
相手の使った言葉のままで受けとめていましたよね。
私も対象者さんの話を聴くときには、
相手の使った言葉をそのまま使って受けとめるように
心がけています。
もし、保健指導や健康相談をしていて、
対象者さんと微妙にズレているような気がしたら・・・
『相手の使った言葉で受けとめてみる』を
ちょっと試してみてください。
意外とこういうささいなことが、
効果あったりしますので。
(^_^)
他にも、保健指導をやっていて、
困っていたり悩んでいたりすることありませんか。
そんな方にはこちらもお役に立てるかも。
(^_^)
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