受け持ちの対象者の支援をしていると、
たまにこんなケースに出くわしたりしませんか?
以前は治療していたが自己中断してしまった方。
今年の健診結果では基準値から大きく外れていて、
「危機的状況であり早急に治療再開が必要」と判定された。
嘱託産業医に指導してもらったが、
受診勧奨に応じる様子はまったくみられない。
1か月後に、産業看護職からも受診勧奨したが、
「自分が死んでも誰も困らない」
「保険金が入って家族は喜ぶはずだ」
などと、こちらが返答に困るようなことを言う。
それでも粘り強く説得してたら、
「仕事やめろってことか!」
とすごい剣幕で怒り出されてしまった。
なんとか関係性をつなぎとめようと、
気をつかって接しているけれど。
私ゃいったいどうすりゃいいのか・・・
( ̄_ ̄;)
看護職ならだれにでも、
このようなケースに直面し、困って、悩んで、
途方にくれたことがあるんじゃないかと思います。
健康の危機的状況にありながら支援を拒否する方に対して、
解決策の決定打があるわけでもなく。
結局は、トライアル&エラーでこの人に効きそうな策を探したり、
本人の気が変わるのを待つことになりますよね。
私もこんなケースにはすごくモヤモヤしちゃいますが・・・
それと同時に、3つ、気をつけていることがあります。
もしかしたら、あなたの気持ちをちょっとラクにできるかもしれないので、
ご紹介させていただきますね。
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1.産業看護職だけで抱え込まない
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『これはもう“ご本人と私(看護職)との問題”では済まされない』
と線を引きます。
「私の力不足のせいだ。情けない」とか、
「こういう人も説得するのが仕事なのに」とか。
忸怩たる思いはありますが、
それには目をつぶるしかありません。
産業医も、会社も、ご家族も、
関係者をみんな巻き込んで関わっていただかないと怖いです。
もし、仕事と関わる労災や突然死がおこれば、
会社が責任を問われることになるかもしれませんから。
産業看護職の孤軍奮闘ではなく、
チームとして対応できたほうがいいですよね。
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2.自分を守る
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“看護職としてやるべきことはやっていたという証拠”
を残しておくのも大事なことだと思っています。
たとえば、アプローチした記録(日時や内容)を残しておく、
産業医や自分の上司に報告しておく、などです。
もしも、不幸にして何か問題がおこったら、
看護職が受けるダメージは相当大きいでしょう。
仕事上の責任という意味でも、
自身のメンタルへの打撃という意味でも。
そこまでいかなくても、
対応の過程で対象者から怒鳴られたり、
あからさまに拒絶されたりしたら、
仕事とはいえ、深く傷つきますよね。
そんなときはしばらく相手と距離を置くことを
自分に許してあげるのもアリだと思っています。
使命感と、責任感と、本心から相手を心配する気持ちと、
同じくらい“自分を守る”ことも大事なんですよね。
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3.定期的にアプローチする
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受診勧奨に応じないからといって、
「じゃあ勝手にすればっ!」
と突き放すわけにもいかないので。
定期的にアプローチするようにします。
本音をいえば「めちゃくちゃ気が重い」ですが。
( ̄。 ̄;)
危機的状況にあることを説明したり、
治療を再開するよう説得しても、
きっぱり拒否されて、ひどい返り討ちにあうだけ。
ならば、私は戦略を変えて、
“あえてひたすら傾聴”してみたりもします。
自身の健康に対して無関心に振る舞いながらも、
時には怒り出すということは、
この方の心中には不安や焦りがあるのかもしれませんし。
(たぶんそれがあたり前だろうなと思いますが)
そんな不安や焦りを安心して吐き出せる場所が、
家族、友人、職場などにはないのかもしれませんしね。
第三者であり専門職である私たち看護職なら、
それを受け止める役割を引き受けられるのでは、
と思っています。
対象者さんとの関係づくりの一つとして、
日頃からこういうのをやっておくのもいいかも。
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