保健指導をやっていて、
気まずい雰囲気になってしまうことって、
ありますよね?
いったん気まずい雰囲気になってしまうと、
その立て直しのためにけっこうな苦労が必要です。
( ̄_ ̄;)
私は保健指導で気まずい雰囲気になるのが大の苦手なので。
(その場から逃げ出したくなってしまうほど)
なんとか気まずい雰囲気にならないように、
今まであの手この手を試してきました。
失敗したり成功したりを繰り返し、その中から
「これはなかなか使えるんじゃないの」
っていう方法を、自分なりに集めてきました。
長いこと、
「こんなことに困っているのは私だけだ」
と思っていたら。
わりと他にも困っている看護職がいらっしゃっるんですね。
それで、
「保健指導の気まずい雰囲気をどうする?」
というタイトルでシリーズのように3つ記事を書いてみました。
これがなかなか好評でして(笑)
よろしければご覧ください。
↓ ↓ ↓
保健指導の気まずい雰囲気をどうする?~毎回呼び出されて迷惑編~
保健指導の気まずい雰囲気をどうする?~薬を勝手にやめてた編~
今日もこのシリーズで一つ、
私がやっている方法をご紹介したいと思います。
最近、立て続けに、
「対象者が次々と話し続けるので、看護職が口をはさめず、
保健指導に必要な話ができないことがある」
というお悩みをうかがいました。
一口に、話続ける対象者といっても、その背景は様々ありますよね。
- もともと相手が誰であろうと、
ご自分の興味があることを延々と話し続けるタイプの人
- 看護職から不都合な話をされないように、
先に自分が話し続けることで阻止しようとする人
- 悩みごと・困りごとがあって、
保健指導の機会に聞いてもらうのを待ち望んでいた人
- 話が途切れて間があくのと緊張してしまうので、
とりあえず間があかないように話を続ける人
などなど。
相手の話を聞くほうがいいのか、
中断させてでも話の主導権を看護職に戻す方がいいのか。
判断するのも難しいです。
私は昔、こういう状況にハマると、
「どこで口をはさんで自分の話を聞いてもらうようにしようか」
ということばかり気になっていました。
相手の話をそっちのけで、
ハラハラドキドキしながら焦ってしまって。
相手の息継ぎのタイミングをねらって(笑)
「そうですよね、だから・・・」
と、ようやく口をはさんだのに、
「そうなのよ~、だから、△△なのよ~。それでね・・・」
話を切ることができなくて。
そのままタイムアウトを迎えてしまうのもよくありました。
( ̄▽ ̄;)
どうやら、私は無意識に聴き上手のようで。
思い起こせば学生のころから、
聴き上手をほめられたこと数知れずなんですが。
(^_^;)
そのせいか、逆に、
話に割って入るタイミングを難しく考えすぎちゃうんですよね。
行き当たりばったりで対応していたころは、
無理なタイミングで強引に相手の話の腰を折って、
気まずい雰囲気にしたあげく、
かえってこちらの話が言いにくくなるという展開が多かったです。
今でも、こういう状況を、
さりげなく自然に切り抜けるのが上手になった、
というわけではありませんが・・・
相手が途切れなく話し続ける状況になったとき、
慌てないで、落ち着いていられるように、
こんな方法を使うようになりました。
それは「線を引く」ということ。
保健指導の場で、対象者が話し始め、
その話が途切れることなく続いてしまうケースでは、
どこまで話を聞き続けるのか「線を引く」んです。
例えば、
「今から10分は相手の話を聞く時間にしよう」とか、
「終了時間の5分前までは、おとなしく相手の話を聞いてもいい」とか。
そして、線を引いたら線のところまでは
「ひたすら相手の話を聞くんだ」
というミッションを自分に課すんです。
ミッションを遂行するためには、
「どこで話に割って入ろう」とか、
「伝えなきゃいけないことがあるのにどうしよう」とか、
そういう邪念はいったん横に置いておいて。
できるだけ相手が気持ちよく話ができるように、
保健師さんが一生懸命話を聞いてくれていると思ってもらえるように、
集中して話を聞きます。
上司や同僚の悪口でも、
家庭の問題のグチでも、
自分の体調の不定愁訴のオンパレードでも。
こうやって、
話が途切れない対象者の話をどこまで聞くか、
「線を引く」と、2つの効果があります。
1つ目の効果は、
自分が落ち着いていられるようになること。
線を引いたところまでは、
相手の話を聞くのがミッションだと思って集中できますから。
話の腰を折るタイミングを探して焦ったり、
相手の話がどんどん広がって収束しそうになくても、
ハラハラしないで静観していられます。
(^_^)
2つ目の効果は、
多少強引に話の腰を折っても受け入れてもらいやすくなること。
一般的に、人は自分の話をよく聞いてくれる人に好感を持ちます。
それに、話が途切れないタイプの人って、
先に自分の話を聞いてもらってからじゃないと、
他人の話を聞く準備ができない人が多いんですよね。
看護職が5分、10分の間、ひたすら話を聞けば、
相手は、
“自分のために時間をさいて、話を聞いてくれた看護職”
に対してよい感情を持ってくれていますので。
線を引いたところまできたら、
「〇〇さん、すみません。ちょっと残り時間がなくなってきたので。
私からもお伝えしたいことがあるんですけど、話してもいいですか?」
これくらい強引に相手の話を終了させても、
「ああ、そうなの。じゃあ、お願いします」
とあっさり話の主導権を受け渡してくれたりします(笑)
私の今までの経験では、このパターンでやってみて、
対象者が嫌そうな表情をしていることは少なかったです。
(そりゃ時々、不機嫌な表情になる人もいますけどね)
その場になってから、
どこに「線を引く」か考えようとすると、
慌ててしまうので。
あらかじめ作戦を考えておくといいと思いますよ。
例えば、
「残り5分のところに線を引いて、
制限時間内で最低限のことを伝える」
と決めておいて。
これができるようにあらかじめ準備してあれば、
より安心し、楽な気持ちで、
対象者が話続けるのを聞いていられますからね!
記事の更新をSNSでお知らせしています。