私が考える看護の専門性について

 

 

看護師資格を持っていなくても看護はできます。

 

昔、子どものころに熱を出したらお母さんが看病してくれた、

という経験をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。

あのとき、お母さんは看護師の資格はないけれど看護をしてくれました。

 

お母さん自身が子どものころにお母さんの母親(おばあちゃん)から

看病してもらったことを思い出して、

同じように自分の子どもの看病をおこなう。

 

これも看護です。

 

 

一方で、

私は保健師や看護師の国家資格を持って報酬を得て仕事をしているので、

資格を持たない素人がおこなう看護とは違いがあるべきだと考えてきました。

 

ただ、産業看護職の業務はなかなかその専門性が見えずらいように思います。

 

「従業員の話を聞いているだけでしょ」、

「産業医について職場を回っているだけでしょ」、

周りからはそんなふうに見られているのかもしれません。

 

あるいはもしかしたら、

産業看護職自身も自分の専門性をつかみきれていないのかもしれません。

恥ずかしながら私はそうでした。

 

例えば、病院で働く看護師は、

採血とか、医療機器の操作とか、点滴の管理など、

素人がみても看護師にしかできないことをやっていることが多いので

納得しやすいのですが。

 

産業看護職のおこなう看護が素人の看護とは違うという部分

”専門性”と表現するならば、それはなんでしょうか。

あなたはどんなふうにとらえていますか。

 

 

 

 

私は長いこと、

素人よりは医学や看護学の知識が多い(だろう)ということを、

自分の”専門性”のよりどころにしていました。

 

でも正直なところ、それだけでは心もとないなとも感じていました。

 

今は、テレビや雑誌やインターネットなどで健康情報があふれていて、

医師が読むような論文だって素人でも手に入る時代です。

 

勉強熱心な対象者さんは自分の病気や検査について

相当詳しい情報を持っていたりします。

 

出産経験のある女性は妊娠・出産・産褥のことについて、

出産経験のない(かつ産科勤務経験のない)私よりも、

よっぽど豊富な知識と経験を持っていますからね。

 

そういう対象者を相手にしていると思うと、

私は保健指導をしていても、健康教育をしていても、

いつも不安で落ち着かなかったです。

 

質問されて答えられなかったら恥ずかしいとか、

そんなこと知っていると言われたらどうしようとか、

って。

 

だから私は、とにかく知識を増やし、経験を積みあげる努力をしました。

 

それしか方法がないと思っていたし、

それでなんとかなると思っていたからです。

でも、この方法で努力をしても、

残念ながら自分の”専門性”に実感を持てませんでした。

 

 

そのうちに、

「一般的に言われている”専門性”ってなんだろう」、

「業界のえらい人たちがおっしゃっている”専門性”ってどういうものなのだろう」

ということに興味がわいてきて。

 

文献や学会などで”産業看護職の専門性”などというキーワードを見つけると、

参加して話を聞いてきたりしました。

でも、私の理解力が追いつけなくて・・・
(^_^;)

なかなか納得できずにいたんですよね。

 

 

本当にずいぶん長い期間、悩み続けてました。

でもその甲斐があったのか(笑)

それなりにヒントは見つかるものですね。

 

私が見つけたヒントは2つ、

視点を変えてくれた言葉と、大学院で基本を勉強し直したこと。

 

そしてそのヒントをもとに、

私なりに、自分の言葉で、

自分の看護の”専門性”の条件を定めてみたんです。

それが『エビデンスと再現性を確保できる』です。

 

自分自身で悩んだ末にたどり着いた”専門性”なので、

ようやくしっくりとフィットするものを手に入れた気分でした(笑)

 

 

 

 

看護を行うために私たちは、

情報を収集して、アセスメントし、判断して、行動(看護)を決定します。

その一つ一つに対して、『エビデンス』に基づいた説明ができることが必要です。

素人が経験や勘に頼っているのとは、違うと思いませんか?

 

そして『再現性』とは、

同じような状況なら繰り返し同じ結果が出せる看護、

状況が違っていてもある程度同じような結果を出せる看護、

という意味で使っています。

素人が行き当たりばったりでやってみたらうまくいったとしても、

次もうまくいくかどうか疑わしいですよね。

 

『エビデンス』に基づいて『再現性』をねらった看護を『確保できる』のは、

体系的に基礎を学び、基本型を身に着けたからこそ備わる力だと思います。

 

私たち産業看護職は少なくとも3~4年間、

看護を専門に学んで基本型を身に着けてきましたから、

そこにもっと自信を持てばいいんだと思えるようになりました。

 

そのおかげかな。

例えば保健指導の場で、対象者に、

「あんたはそんなことも知らないのか」という顔をされても、

「あなたには経験がないからわからないでしょ」と言われても、

もうヘコまなくなりました!(笑)

 

 

もしあなたが、自分の看護の”専門性”に不安を感じているようなら。

例えば、自分の言葉で、

自分の看護の”専門性”を表現できるようにしてみてはいかがでしょうか。

 

最初は不完全な表現でも構わないと思います。

誰かからの借り物の言葉ではなく

自分の言葉で表現してみると、

見える世界が変わりますよ。
(^▽^)/

 

 

 

 

私が考える専門性、『エビデンスと再現性を確保できる』保健指導を目指して、

今までいろいろな試行錯誤をしてきました。

 

そして、教科書的な基本型と現場で使うための今田流のアレンジを織り交ぜた

一つの形<自分らしい保健指導>ができました。

 

その内容をお伝えする新しい講座を準備しています。

詳細は今月中に公開予定です。

 

それまでの間、こちらはいかがでしょう。
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