『産業看護職の職場巡視』って

 

 

先週の金曜日に、

静岡産業保健総合支援センターの産業看護セミナーの講師をやらせていただきました。

静岡産業保健支援センターでは、昨年から

「今更聞けない、産業看護の基礎知識シリーズ」全7回(昨年は全6回)

が開催されています。

これは経験の浅い産業看護職向けに基本的な知識やスキルを学べるセミナーです。

 

私はその中の一つ、

「産業看護職の行う職場巡視の留意点」

というテーマのセミナーを受け持っています。

 

今回は雨が降って足元が悪い中、

20名を超える産業看護職の方々が参加してくださいました。

ありがとうございます。

そしてお疲れさまでした。
(^▽^)

 

 

 

 

ところで、職場巡視って、

一般的な看護業務には含まれていない、

産業保健・看護に特有の業務ですよね。

だから今まで、

いくら看護の勉強をして、看護の実践を積んできた方でも、

産業看護の経験がないと敷居が高い業務だと感じてしまうのは、

ある意味当たり前だよな~って思っています。

 

 

ちなみに、私が『産業看護職の職場巡視』というのを初めて知ったのは、

学生時代の産業看護の実習です。

たった一日ですが製鉄工場へ見学に行って、

そこで産業看護職の方に、

現場を案内してもらいながら業務の説明をきいたり、

労働者の方たちと楽しそうにコミュニケーションしているのを

見せていただいたりしました。

 

そのとき、

「うわー、こんなところにも看護があるのか」

とビックリして、

産業看護にすごく興味をひかれたんですよね。

 

そういう私ですから、

産業看護職になったら職場巡視をやるのが当たり前だと思っていました。

しかし現実はなかなか思うようにいかなくて・・・
(´Д` )

 

勤めていた事業所では、

産業看護職の職場巡視が業務として行われていなかったり、

やり方を教えてくれる先輩も身近にいなかったりして。

なんだかんだで初めての職場巡視をやるまでに、

産業看護職になってから5年以上もかかってしまいました。

 

今こうやって産業看護職の方々に、

『産業看護職の職場巡視』について語れるような器ではないと自覚しつつも。

 

全くの自己流で試行錯誤しながら、

自分のスタイルをつくってきた私の経験が、

「少しでもお役に立てるならそれでいいじゃないか」

と自分を奮い立たせて、

毎回講師をやらせていただいています。
(^_^;)

 

ありがたいことに、毎回好評をいただいています。

そして毎回、私も、

参加者のみなさんの表情が明るくなって帰って行かれるのを見送りながら、

勇気づけてもらっています!

 

 

今日はそのセミナーの講話でお話しした中から、

「産業看護職が行う職場巡視の目的・内容・姿勢」

についてご紹介しますね。

 

 

上に載せたスライドは、

河野啓子先生がお書きになった、産業看護学の教科書から引用しています。

 

目的は、

安全と健康の確保と快適な作業環境・作業条件づくりを支援するための職場の情報を自分で入手する こと。

 

内容は、

職場を訪れ、作業環境・作業条件を目、耳、鼻などの五感でとらえ、好ましくない状態を把握する。
健康診断や作業環境測定結果とのかい離を確認する。
一人一人の労働者の顔色、表情、話し方、動作についての観察。
「声かけ」をして、機会教育、コミュニケーション、ラポール形成の場とする。

 

姿勢は、

起こり得る事態を予測し、科学的な目で見て、危険予知的な発想で巡視する
看護の理念に基づいた支援の態度(悪いところの摘発ではない)

 

と、こんなふうに書かれていました。

ご覧になって、どんな印象を持ちましたか?

 

 

職場巡視ときくと、

産業保健の専門家として、

「なんとか問題点を見つけて指摘することが役割」

だと思って、肩に力が入ってしまう人がいますけれど。

看護職の職場巡視はそういう必要はないよ、

といってるんだと私は解釈しました。

 

作業環境や作業状況について、

危険予知と改善支援の視点から、

情報収集やコミュニケーションを行うために、

あなた自身が職場に出ていくことが職場巡視

なんですよね。

 

 

 

 

もしあなたがまだ、

職場巡視の一歩を踏み出せないでいるとしたら・・・

 

とりあえず、そういう自分を卑下しないで、

「これもある意味当たり前なんだよなぁ」

って認めてみてはいかがでしょうか。

そうしたら、気持ちがぐっとラクになりますよ(笑)

 

そのうえで、

「産業看護職が行う職場巡視の目的・内容・姿勢」を踏まえて、

今の自分ができることは何かな、と考えてみてほしいのです。

いくつか思いつくことがありますか?

 

そしてその中の、

ほんとに小さなことでもいいので、行動に移してみましょう。

やってみれば、意外とできるもんなんですよ~!

 

昨年のセミナーを受けて、

その後初めて自分一人で職場へ出かけて行った産業看護職の方が、

私に感想を教えてくださいました。

 

「思っていたよりみんながウェルカムな雰囲気でした。行ってみてよかったです」

 

って。

いい体験だったんだなぁというのがメールから伝わってきて、

私も読んでいてうれしくなってしまいました。

 

 

今日は、ここまで読んでくださって、

「ほんとは職場巡視やりたいなと思っていながらなかなか一歩が踏み出せない」

そんなあなたにも、

「職場巡視、いってこようかな。いってみたいな」

って思ってただけたらうれしいな~と思って書いてきました。
(^▽^)

 

 

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