今日もまた、
昔、保健指導でお会いした方のお話です。
Bさんは50代後半の男性。
10年以上も前から高血圧で内服治療中です。
加齢とともに薬の量や種類が増えているのですが、
血圧が十分コントロールできていません。
毎日、晩酌で、日本酒を2合も飲んでいるので、
何度も保健指導に来てもらって、
飲酒量を減らすように説明しているのですが、
いつもこう言い返してきます。
うちは高血圧の家系だから仕方ないんですよ。
弟はほとんど酒を飲まないけど、
やっぱり血圧高いですから。
酒のせいじゃないと思います。
もちろん私だって引き下がれないので(笑)
このままの状態が続けば、
薬の量や種類はもっと増えてしまうし、
脳卒中で倒れる危険も高まってしまう。
と説明してみたのですが・・・
そりゃ長生きしたいし、
寝たきりになって家族に迷惑かけるのもイヤですよ。
でも結局、そういうのって、
自分でどうにかできるものじゃないでしょ。
と言われてしまうのです。
あぁ、いますよね。
確かに自分でどうにかできることばかりじゃないけれど、
「それを言っちゃ~おしまいよ」
って人(笑)
前回の、
の中で、行動変容のアプローチに役立つ
『ローカス・オブ・コントロール』
についてお話しました。
簡単にいうとこんな感じです。
↓ ↓ ↓
———————————-
自分の健康をコントロールする要因が
どこにあると考えるかで、
以下の2つのタイプに分かれます。
- 自分にあるタイプ(内的コントロール所在)
- 自分以外にあるタイプ(外的コントロール所在)
そして、外的コントロール所在はさらに、
- 「強力な他者」が決めると思っているタイプ
- 「運や偶然」が決めると思っているタイプ
に分かれます。
———————————-
目の前にいる対象者さんが、
「内的コントロール所在」か?
「外的コントロール所在」か?
という視点からアセスメントしてみると、
健康行動とのかかわりが、
つかみやすくなるんですね。
ちなみに「強力な他者によるコントロール所在」の人は、
「先生にお任せしています」とか、
「医者に言われればやるけど」など、
自分の健康のことなのに、
他人に全面的に依存しているようなタイプです。
一方、「運や偶然による外的コントロール所在」の人は、
「そうなりたいと思うけど、かなうかどうかは運だよね」とか、
「自分ががんばればよくなるとは限らないでしょ」
のような考え方をしているタイプです。
では、Bさんの「コントロール所在」は、
どこにあるでしょうか?
長生きしたいし、
寝たきりになりたくないと言いつつ、
そういうのって
自分でどうにかできるものじゃないでしょ。
と言っているので、
「運や偶然による外的コントロール所在」
のタイプのようです。
このタイプには、
自分の行動が健康に関連していることを
自ら納得していただけるように、
根気よく働きかけることが必要だそうです。
例えば。
血圧を自己測定してもらって飲酒との関連を、
Bさん本人にモニタリングしてもらいます。
そして私たち看護職は、
わずかなデータの変化にも注目して、
本人の行動が健康に影響を及ぼしていることを、
その都度説明します。
これを、Bさんの考えが
少しずつ変わっていくまで続けるのです。
このタイプの方は、
こちらの説明すらちゃんと
聞いてくれないことも多いので。
看護職にとってはやっかいな人ですよね。
σ( ̄ヘ ̄;)
看護職のほうが先に愛想が尽きて、
嫌気がさしてしまうかもしれません。
あるいは逆に、
「私は信用されてないんだ」と
心が折れてしまうこともあるかも。
でも、
この人は、
“運や偶然による外的コントロール所在”の人だから、
保健指導がすぐに響かなくても、
根気よくアプローチを続けよう。
というふうに考えられれば、
こちらの負担感も減るでしょうし、
保健指導の様子がだいぶ変わりますよね。
こんなのもやってます。
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