以前、メルマガやブログの読者さんに、
お悩みやご質問を募集したことがありました。
そのとき、ある産業看護職の方から、
こんなご質問をいただいたんです。
保健指導で、対象者さんから、
「朝食を食べるとかえって調子が悪くなるから食べないんだ」
と言われて、
「そうですかー」で終わってしまいました。
そういうときはどうすればいいんでしょうか。
ああホント、そうですよね。
私も今までそういうシーンに遭遇するたびに、
あたふたしちゃってました。
( ̄▽ ̄;)
なぜなら、私自身も、
「それでも食べろと説得する」のがいいのか。
「それなら仕方ない。そういう人もいるんだな」
と受け入れるのがいいのか。
あるいは、苦しまぎれの代替案や妥協案を
ひねり出して提案するのがいいのか。
どうしようといつも迷ってしまうからです。
もちろん一般論として朝食を食べたほうが、
体の消化・吸収機能を目覚めさせ、
脳にエネルギー源のブドウ糖を送り込み、
体温をあげて活動体制をつくれるので、
健康のためにもいいし、
仕事の能率を上げるためにもいいし、
生活リズムも整うし、
メンタルヘルスにもいいし。
って、いくつか朝食が必要な理由は、
あげられるんですけど。
目の前にいるこの対象者さんに、
(食べたら調子が悪くなるといってる人に)
それを説明して済む話じゃないと思うから。
何が本当にこの対象者さんのためになるのかなって、
毎度毎度、悩んでしまうのです。
それで、このご質問への回答を決められず、
申し訳ないと思いつつ、今まで保留にしてきました。
ただ、最近、ちょっと別の側面から、
このモヤモヤを解消するヒントになりそうなことを見つけたので。
ご質問の回答にはならないかもしれませんが、
それをお伝えしたいと思います。
ご質問をくださった産業看護職の方が、
保健指導で、対象者さんから、
「朝食を食べるとかえって調子が悪くなるから食べないんだ」
と言われて、
「そうですかー」で終わってしまいました。
そういうときはどうすればいいんでしょうか。
と、モヤモヤしてしまうのはどうして?
私も(もしかしたらあなたも)、
同じようなシーンに遭遇するたびに、
あたふたしてしまうのはどうして?
それは、その場できちんと対応できなかったことが、
引っかかっているからかもしれません。
「そうですかー」って、
中途半端でプロらしくない対応をしてしまったから、
モヤモヤするのではないでしょうか。
それが対象者さんのためになっていると思えなくて。
自分の保健指導が役に立っていると思えなくて。
もしそうだとしたら・・・
そこへ行きつくまでの保健指導のプロセスが、
対象者さんも看護職もお互いに納得できるものになっていれば、
このモヤモヤが少しは消えるかなと思うのです。
保健指導の最後に対象者さんが出す結論が、
「わかりました。明日から朝食を食べます」
なのか、
「今まで通り朝食は食べません」
なのか、
「(代替案を受け入れて)それならやってみます」
なのか、はわかりません。
保健指導は『対象者が良い方向へ行動変容する』
という結果を求めつつも、
対象者の選択までは完全にコントロールできませんから。
でもせめて、そこまでのプロセスは、
対象者さんにとって最善の選択をしてもらえるよう、
プロらしく対応できたらいいですよね。
(^_^)
じゃあ、プロらしい対応ってなんだと思いますか?
いろいろな意見があると思います。
ちなみに私は、プロらしい対応とは、
『エビデンスと再現性を確保すること』
(勘や経験だけに頼るのではなくてね)
だと思っています。
例えば、看護学生の教科書にはこんなふうに書かれていました。
↓ ↓ ↓
~~~~~~~~~~
公衆衛生看護は人権の尊重を基盤にした健康生活の支援であり、
正確な知識・技術と豊かな人間性に基づく行為が求められる。
経験値に基づいただけの方法では、問題が解決しないこともある。
それは、対象者の状態にあった支援方法でないことや、
学問や理論に基づいていないため応用がきかないことによる。
(標準保健師講座 公衆衛生看護技術2,第3版第3刷)より
~~~~~~~~~~
あなたが自分の「プロらしい対応って何?」の回答を
考えるときの参考になるでしょうか。
ここに自分の考えを持っているとブレが減るので、
業務をしていても楽になりましたよ、私は。
(^_^)
プロらしい保健指導にはもちろんあこがれるけど、
本音はまだ保健指導をやってて不安や悩むことばかり。
そんなあなたには、こちらもお役に立てるかもしれません。
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