ストレスチェックの後、高ストレスかどうかにかかわらず、
希望者には保健師面談を行っています。
先日、保健師面談の相手から
「コメントに”ストレスが普通より高め”って書いてあったんですけど。ストレスって何ですか? 僕はあまりよくわからなくて」
と言われてしまいました。
私は、正直、言葉に詰まってしまいました。
いままでの経験上、
「ストレスで大変、どうしようもない」とか、
「ストレスが大きすぎてつらい」とか、
「このストレス、どうしたらいいでしょう?」とか、
そういう話を聴くことが多かったので。
意表を突かれたというか、
面と向かって「ストレスとは何か?」と質問されてどう答えるべきか、
とっさに思い浮かばなかったんですよね。
あなただったら、どんなふうにこたえますか?
私はしどろもどろに
「ストレスってこういうものです。こんな症状や反応が出ます」
みたいな教科書的な説明をしてしまいました。
その対応が自分でもしっくりこなくて。
しばらくもやもやが残っていました。
そして今、落ち着いて考えれば・・・という話ですが。
「ストレスって何ですか? よくわからなくて」
という質問には、
おそらく本人も無意識に、裏の想いが込められていたのではないか、
という気がしてきました。
だとすれば、
「ストレスとは、ああです、こうです」という教科書的な説明をするよりも、
裏の想いを吐き出せるように対応したほうがよかったのかもしれません。
私、個人的には、このように反省しています。
(>_<。)
その一方で、たまには教科書的な知識として、
「ストレスって何ですか?」の答えを振り返っておくのもいいなと思いました。
たまたま最近、学生の講義で「ストレスと健康」をテーマに取り上げたので。
その中から、いくつかご紹介したいと思います。
ストレスとは、
「身体の内外から加えられたさまざまな要求や刺激に対する非特異的な反応」
であり、
「人間に加わる負荷」
のことをいいます。
よく、ゴムボールを指で押さえてゆがんだ状態のイラストで、
「これがストレス状態です」というふうに説明されていますよね。
見たことある方もいらっしゃると思います。
そして、このとき、
ストレスの元となっている”刺激”を「ストレッサー」、
その結果生じた”ゆがみ”のことを「ストレス反応」、
と呼んでいます。
ストレスには「生理学的側面と心理・社会的側面」があります。
このあたりのことは、もう十分わかりきっているところだと思いますが。
改めて ↑ を見てみると、
「おお、そうだった」と気づかされますよね(笑)
ストレッサーには、
事故や災害などPTSDを引き起こすような大きなものもあれば、
日常のいらだちごと(通勤ラッシュや受動喫煙などちょっとイラっとくること)や、
些細だけれど持続する不快な感情(人間関係のもつれや老後の不安など)、
日常生活上のできごと(就職、結婚、休暇、借金など=ライフイベント)もあります。
そう考えると、生きていれば、ストレスは当たり前のもの。
ストレスをゼロにすることはできません。
そして、
ストレッサーをどのように受け止めるのかが「認知」、
ストレス反応への対処が「ストレスコーピング」、
ということになります。
人はそれぞれ、自分のやり方でストレスを「認知」し、
自分なりの「ストレスコーピング」を使って、
”うまくストレスを解消する”
あるいは
”ストレスとうまく付き合う”
ということをしているわけですよね。
ところが、その人の対処能力を超えたストレスがかかってしまい、
ストレス反応が疾患レベルまでいってしまうと、
「ストレス関連疾患」を発症してしまいます。
私は、学生の講義のために整理する前は、
この辺りの理解がゴチャゴチャしていたのですが。
今は、この図のように、
ストレス関連疾患を「心理面」、「身体面」、「行動面」に分けてとらえる
と、こちらの対応を考えやすいなぁと思っています。
*ストレスコーピングについてはこちらの記事でもご紹介しています。
『ストレス対処法のクセ』
ストレスという言葉は誰もが普通に使っていて、
仕事でもプライベートでもよく話題になるので。
知っているような気になってますよね?
「ストレスって何ですか?」
って、ストレートにきかれたら、私のように慌てちゃうかも。
「自分だったら、どんなふうに対応しようか」と、
考えてみるのもいいかもしれませんね。
(^▽^)
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