健康教育の指導案を作るときに、
例えとして
「小学6年生でも理解できるような説明をしましょう」
ということが、よく言われますよね。
私は一応、セミナーや健康教育をやる時には、
常にこのことを意識しています。
みなさんはいかがでしょうか?
実は先日、生まれて初めて
「正真正銘の小学6年生」
を対象にして、講話をやってきました。
キャリア教育の一つとして仕事の話を聞くという授業で、
看護師の仕事について話をするという依頼です。
事前の子どもたちのアンケートで
看護師の話を希望する人が多かったとかで。
まあ、いろいろと事情があって、その話が私のところに来たのです。
でも、私、今は看護師の仕事やってないし・・・
子どもたちはきっと、病院で働いている看護師さんの話を聞きたいだろうに・・・
私が何を話せばいいの?
と、とまどいつつも、
私のいつもの悪いクセ(好奇心)が抑えられなくなり、
はずみでお引き受けしてしまったのでした。
![]()
成り行きで、引き受けてしまってから、
何を話そうか、
どうやって説明しようか、
子どもたちが退屈しないようなスライドにしなくちゃ、
と、プレッシャーが押し寄せてきました。
講話のスライドやシナリオを準備しながらも、
この漢字は読めるだろうか?
この表現では難しいけど、なんて言いかえればいいのか?
などと、いちいち悩んでしまったんですよね。
今までも、
「小学6年生にも理解できる内容で」
といってきたけど、
スローガンとして唱えていたにすぎなかったんだな、
本心から真剣に向き合ってなかったんだな、
と思い知らされました (>_<)
悩みに悩んで、何度も作り直して。
正直、結構な時間をかけて作った講話の内容は以下の通りです。
テーマ:
看護師・保健師の仕事
狙い:
看護師と保健師という職種があることを知ってもらい、
看護の仕事は幅広い分野で多くの人の役に立つことができること知ってもらう。
看護師・保健師になるためにどんな資格が必要か、
そのための学校や勉強の内容を知ってもらう。
内容:
保健師にあったことがあるよ(赤ちゃん訪問や乳幼児健診のこと)
医療系の国家資格(医療系の他職種と看護職種の紹介)
看護師・保健師の仕事の分野(保健、医療、福祉)
医療分野の看護の仕事
保健分野の看護の仕事
看護師と保健師の違い(資格、学校へ通う年数、看護の対象など)
看護師・保健師の学校
学校でどんな勉強をするか(学生時代の実習のエピソードを紹介)
おわりに(私が看護に抱いている思いを紹介)
工夫した点:
スライドを使って説明する(アニメーションで動きを入れる、イラストを載せて親近感を持ってもらう)
体験談を話してイメージしてもらい、興味を持ってもらう(学生実習で受け持った患者さんのこと)
保健師と会ったことがあると伝え、看護が身近な職業だと興味を引くようにする
![]()
11月10日に、この内容で
子どもたちにお話ししてきました。
話を聞いている間、
子どもたちは微動だにしません(いわゆるノーリアクション)。
話しながら、
みんな理解できているのかな?
話がつまらないのかな?
わからなくて固まってるのかな?
・・・と。
背中に変な汗をかきながら、45分間の講話をやって、
疲労困憊で帰ってきたわけです (^_^;)
ちなみに担任の先生は
「あの子たちはいつもあんな感じですよ~」
って笑顔でおっしゃってました。
外部の人間に対して緊張してただけなのかな?
後日、学校から、
子どもたち一人ひとりが感想を書いたお礼のお手紙が届きました。
その内容の一部をご紹介しますね。
読んでいて元気をもらえたので、おすそ分けです。
看護の仕事って、いいなぁ~って(笑)
「看護師は患者さんが元気になったところを見てうれしくなると聞いて、確かに自分が看護している人が元気になったのを見ると嬉しく感じます。ますます看護師になりたいという夢が大きくなりました」
「私のおばあちゃんも看護師をしています。でも保健師の仕事はしていないので保健師の話を聞いてよかったなと思います」
「前までは看護師になれればいいと思っていましたが、今田さんの話をきっかけになんとなくから看護師にぜったいなってやる、でいっぱいになりました」
「患者さんが元気で退院してくれるのはとてもうれしい、と聞いているだけで、私までもがうれしいという気持ちが伝わってきてよかったです」
「保健師の人はこんにちは赤ちゃん訪問や子どもの健診をやっていたと知ったときはびっくりしました。でもその話をきいた時、保健師さんへの興味もわいてきました」
「スライドを使って話してくれて、今田さんの話し方はよく何のことを言っているのかも分かったので、やっぱりいつも患者さんと話しているからだと思いました」
「スライドの使い方で、とても内容がわかりやすかったです。看護師と保健師のやっている仕事のちがいや、看護師と保健師になるまでの大変さが伝わってきました」
「看護師さんは病気になっている人を助ける仕事、保健師さんは病気になっていない人の健康を守る仕事という主にしていることがわかってうれしかったです」
「いろんな部分で看護師は大変だけど、やりがいがあることを感じました。そして看護師になりたい気持ちが強くなりました」
「看護師は病院で看護をするだけだと思っていたからとてもおもしろかったです。看護師のお仕事も将来やってみたいなと思いました」
「看護師は病院でしか働かないと思っていたけど、福祉センターなどでも働いていると知ってすごいと思いました。保健師がまだ病気になっていないけどこのままだと病気になりそうな人への指導をやっていると知ってすごいと思いました」
「保健師や看護師は国家試験に合格しないといけないことにびっくりしました。なぜかというと、専門学校を卒業すれば入れると思っていたからです」
「看護師といえば病院の中で患者さんに対して優しく対応するというイメージでしたが、今回、会社の中にあるところで働いたり、学校の保健室で生徒のけがを見てくれる役もあるということで、看護師さんの仕事への今日の幅が広がりました」
「この話を聞く前までは保健師というものは知らなかったけれど、最初から最後までゆっくりとはっきりしゃべってくれたのですぐわかってききやすかったです」
「看護師や保健師の仕事には医療だけではなく、保健、福祉があることも知りました」
「スライドを見ながらお話しが聞けたのですごくわかりやすかったです」
「私は最初、保健師って何だろうと思っていました。聞いたこともなかったのでどんな仕事をしているか知らなかったけれど、お話を聞いてそういう仕事もあるんだなと知りました」
「なるべく患者さんが痛くないように、少しでも患者さんが元気に、楽になるようにと聞いて「すごいな。どんなに仕事が忙しくても患者さんのことを第一に考えていて、かっこいいな」と思いました」
「看護師の仕事、仕事の種類、大変だったことがよくわかりました」
こんな感じです。
「わかりやすかったです」というコメントを
書いてくれた子がけっこういたので、
ようやくホッとできました (^_^)
小学6年生にも理解できる内容で・・・
って、口で言うほど簡単なことではないんですね。
本当はこんなに考えないといけないのだな~
と反省しました。
とはいえ、
私の講話が小学6年生からもわかりやすいと
言ってもらえたので、
ひそかに自信になりましたが(笑)
ということで、
今日は私の体験談とその感想しかなくてすみません。
それでも何か、みなさんにお役に立てそうなものを、
と考えて・・・
子どもたちに話をした中のスライド1枚分を
当日のシナリオのナレーション付きでご紹介します。
本当はめちゃめちゃお恥ずかしいですが。
話の難易度って、このくらいでもいいのかなっていう
例の一つとして。
記事の更新をSNSでお知らせしています。