今、産業看護職向けに、
健康教育をテーマにしたセミナーを開催しています。
セミナーの参加者特典として、
無料の個別面談をご提供していて、
お悩みの相談やアドバイスを行っています。
先日、こんな相談を受けました。
「健康教育を依頼されて、
何の話をするかはお任せと言われています。
健診結果で肥満と糖尿病が多いので、
それをテーマにして話をしようと思っているのですが・・・」
前任者が実施した際の資料も残っているし、
一応、テーマは決めた。
さて、次は何をしようか・・・
セミナーに参加してくださった方なので、
健康教育は企画(準備)が大事だということを理解して、
実施日までまだ余裕があるので、
ちゃんと準備しようと思ってご相談くださったようです。
先方から健康教育の依頼があって、
与えられた時間があって、
対象者もすでに決まっている。
テーマは先方から指定されたものがあるか、
もしくは、なんでもいいと丸投げされて・・・
健診データとか、ちまたで話題の健康情報などを参考に
漠然とテーマを決めたところで、
次は何をしよう、
と手が止まってしまう・・・
こういうことって、よくありませんか?
私は、いつもそうでした(笑)
それで、私が次に何をしていたかというと・・・
イメージに浮かんだままにスライドを作ってみたり、
面白そうな資料を見つけて、配布資料を作ってみたり、
とにかくテーマに沿った医学的な基礎知識を書き出してみたり。
思いついたところ、手を付けやすいところから
とりあえずやってみる。
恥ずかしながら、計画も戦略もなかったですね。
あっちこっちにとっ散らかって、
何度も方向転換をしながら、
そのうち、対象者そっちのけで
スライドの見栄えばかりに凝り始めてしまったり。
時間と手間をかけたわりには、
健康教育の実施後に手ごたえが感じられず、
終わった後は、ちゃんとやれたのか、これでよかったのか・・・
迷いと徒労感が残っただけ、
という失敗体験を積み上げていました。
今は、健康教育の手順を勉強したので
このような迷走にはまらないように、
自分なりに手順を決めています。
そして、私の手順の1番目は何かというと、
「対象者の把握」
です。
もうちょっとわかりやすく言うと、
「対象者の背景を調べて、対象者の特徴を固める」
ということです。
年齢、性別、健康診断データ、問診データ、職種、業務内容、
職場の雰囲気、事業場や職場の繁忙、居住地、通勤方法・・・
などなど
対象者の背景の情報を集めます。
もちろん手に入らない情報もあると思いますが、気にしません。
足りないところは自分の経験と想像力や勘を働かせて補足し、
なるべく具体的に、対象者の特徴を固めます。
そして、そこから、
「対象者が関心のある事柄」を見つけるようにします。
私の中では
「対象者の把握」 = 「対象者の関心のある事柄の把握」
なので。
健康教育というと、つい、
専門家の立場から「これが必要」と思う知識や方法を
もれなく伝えたくなってしまうんですが。
人って、自分が関心のある話しか頭に入らないんですよね。
いくら必要な話、いい話、ためになる話をしたところで、
相手の頭に入って行っていかないとか、
心まで届かなかったら、意味がない
ですもんね。
対象者の関心ごとに、どれだけ寄り添える健康教育にできるか。
そんな視点から、
「対象者の把握」
やってみるとなかなか面白いですよ。
いかがでしょうか?
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