私たち産業看護職の主な業務の中に、
対象者さんの心身の不調への対応(健康相談)がありますよね。
対象者さんが自発的に健康相談に来られて、
ご自身の不調についてお話されるので、
看護職はそれを傾聴し、アドバイスを伝える。
例えばこんなパターンが一般的なところだと思います。
そして、健康相談が終わって、
対象者さんが帰られるときは、
こんな言葉で送り出しているでしょうか。
「困ったことがあったらまた相談してくださいね」
「心配なことがあればいつでも来てくださいね」
私も昔、企業内の健康管理室を担当をしていたころ、
よくこのセリフを言ってたな~。
(^_^;)
でも、もしかしたら、この一言が、
健康相談の敷居を高くしているかもしれない。
そうなふうに考えたことはありますか?
もちろん私たち看護職の気持ちは、
いつでも気軽に相談に来てほしい。
健康管理室や産業看護職を頼ってほしい。
・・・なんですけど。
「困ったことがあったらまた相談してくださいね」
「心配なことがあればいつでも来てくださいね」
と送り出して、その後は音沙汰なし。
そうなってしまうケースが多くないですか?
私はそうでした。
そして私はいつも一人で気を揉んでたんです。
あれからどうなったかな?
もう大丈夫なのかな?
便りがないのはいい便りなのかな?
って。
その当時、私は理由を深く考えることはありませんでした。
さんざんヤキモキしたあげくしびれを切らして、
メールでその後の様子をきいて確認したり、
職場まで行って対象者の様子を見てきたり。
それで「もう大丈夫です」って返事をもらえれば安心します。
でもときどきは、こんな返事をもらうこともありました。
「あれからも不調が続いていて・・・」とか、
「相談に行こうかどうしようか迷ってた」とか。
中には私がアプローチしたときには、
すでに再び調子を崩して会社を休んでいた、
なんていう展開になってしまったことも。
だったらまた相談に来てくれればいいのに。
あのとき、また来てねって伝えたのに。
どうして来てくれなかったんだろう。
遠慮? それとも私が頼りないから?
こちらはその後の様子を気にかけているのに、
音沙汰がなくなってしまうとか、
大事(おおごと)になってからようやく連絡が来るとか。
いつでも気軽に相談に来てほしい。
健康管理室や産業保健師を頼ってほしい。
その想いがなかなか対象者さんに届いてなくて、
寂しいし、モヤモヤしてしまうんですよね。
そんなあるとき、本でこんな話を読みました。
↓ ↓ ↓
============
「大丈夫?」と聞かれたら。
本当に大丈夫なときは、
「大丈夫です」って言えるけど。
本当はあまり大丈夫じゃないときに、
「大丈夫じゃない」と答えるのは、
けっこう勇気がいることだ。
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それを読んで、なるほどなあ、と思ったんです。
それと同時に私も、
「大丈夫?」って、無意識にきいていたと気づきました。
対象者さんの立場で考えてみたら、
そもそも健康管理室という場所自体が、
気軽な気持ちで行けるところじゃないですもんね。
そうとわかっていながら、
「心配なことがあれば・・・」
「困ったことがあったら・・・」
って、
相談のための前提条件をつけられたら、
余計に行きづらくなってしまうのもわかる気がします。
(対象者さんの心の声)
この程度なら、他の人は心配なんかしないだろう。
こんなことに困っているのは自分だけだ。
相談したらあきれられるかもしれない。
保健師さんも忙しいのに煩わすのは申し訳ない。
それで、我慢してしまったり、
遠慮してしまったりしているのかも。
もしそうだとしたら残念すぎるな~。
( ̄_ ̄;)
それ以来、私は対象者さんを送り出すとき、
前提条件はつけないように気をつけて声かけしています。
来週もう一回、来てくださいね。
顔を見せてくれるだけで大丈夫です。
待ってますね。
ちょっとした言葉の選び方でも、
対象者さんとの関係性に影響してしまうから、
保健指導は緊張しちゃうというあなたへ。
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