西日本の豪雨災害から1週間が経ちました。
被災されたみなさまには心よりお見舞い申し上げます。
そしてこの連日の猛暑の中、復旧・復興作業に取り組んでおられる方々には
本当に頭が下がる思いです。
熱中症の搬送者数が急増しているそうです。
どうぞご自愛ください。
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さて。
明日は看護学校の非常勤講師として、講義をしてくることになっています。
その講義の中で「健康危機管理」について触れるので、その準備をしていました。
ちなみに健康危機管理とは

ということで、
「その他何らかの原因」には地震や洪水、テロ災害などが含まれるのだそうです。
そういう意味では今回の豪雨災害も、
”「その他何らかの原因」により国民の生命・健康の安全を脅かす事態”
であり、
まさに健康危機管理が必要とされている状況であることは間違いありません。
ということで、講義ではそのことを話そうと思いながら、昨年の資料を見直していたら。
昨年の講義のときは九州北部(福岡・大分)の豪雨災害がおこったばかりで、
そのことを話題にしていました。
しかもその前年には熊本の地震災害があったばかりで、
その話をしたんですよね。
改めて、日本列島は自然災害が多いのだなと思うとともに、
「健康危機管理」と聞くと、
めったにおこらない特別な対応のような気がしてしまいますが、
決して珍しいことではないのだなと再認識させられました。
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産業看護職の中には、
一人職場(その事業場で医療専門職は自分一人という状況)で
働いてらっしゃる方が多くいらっしゃいますよね。
もしこのような「健康危機管理」が求められるような状況が発生した場合に、
みなさんの事業場では、どのような対応が想定されていますか?
もしかして、あなた一人で、
事業場内の保健医療的な対応をすべて背負うような前提になっていませんか?
一般の方は、
医師がいるから大丈夫、
看護師がいるから大丈夫、
救急車を呼んで病院へ運べば大丈夫・・・
そう考えて、
そこで思考停止してしまう人が少なくありません。
しかし、私たち産業看護職はそうはいきませんよね。
だって、
今回のような「健康危機管理」を要する状態が発生したときは、
うちの事業場だけでなく、
その地域一体、
場合によってはかなり広範囲にまで被害が及ぶような
非常事態になっているわけで。
救急車を呼べばすぐに来てくれると思うのは甘い考えです。
急激に多くの負傷者や体調不良者が発生したら、
看護職がたった一人で、対象者一人ひとりの手当てをしていたのでは、
とても間に合わないでしょう。
救助が来るまでのあいだ、
そこで自分たちの安全と健康を守れるのは自分たちだけなのです。
それをたった一人の看護職におんぶにだっこするつもりでいたら、
とても守り切れないだろう・・・
そういう危機感を事業場全体に持っていただかなければ、
心もとないのではないでしょうか?
「健康危機管理」が必要とされる事態は珍しくないことで、
いつおこるか予測できないのだから、
それに備えて対策を考えておくことが必要なのだ、と。
お題目としては理解していても、
本気でその事態を想像し、対策を考え、準備する。
そこまでできているところは少ないかもしれません。
むか~しの話ですが。
私が勤務していた事業場の避難訓練のときに一部の社員が、
日傘をさして避難してきたり、
集合場所で整列や点呼もせずにゴルフの素振りの練習をやっていたり。
それを見たとき、私は気が遠くなってしまいました。
この意識を変えるにはどうすればいいのか・・・と。
(>_<。)
実際、事業場全体・労働者一人ひとりに危機感を浸透させていくのは
とても難しいことですよね。
(私も経験上、痛感しています)
看護職から
「私一人では対応しきれません」と言おうものなら、
責任逃れをしているととられかねないこともありますから。
みなさんの事業場では「健康危機管理」の対策は検討されていますか?
最低でも
「保健師(看護師)さんがいるから大丈夫」
という、無責任な丸投げをされていないかどうかは
振り返っておきたいところです。
そして、平常時(準備期)の活動を地道に計画し実施していく重要性を、
少しずつでも事業場内に広めていけるといいですね。


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