健康教育の目的とは?

 

 

健康教育をやろうと思ったのはなぜですか?

 

依頼があってやらなきゃいけなくなったから?

集団の健康状態がイマイチなことに気づいてしまったから?

とにかく目立つのが好きだから?(笑)

 

どんな理由でやることになったとしても、

健康教育をやるからには、

対象者にとって意義のあるものにしたい。

そう思いますよね?

 

そのためには、

健康教育をやる目的(目指すもの)を

しっかり押さえておくことを、

おすすめしたいです。

 

 

 

 

そもそも、私たち産業看護職が健康教育をやるのは、

対象者の行動が変わり、

それが継続されることによって、

対象者のQOLが高まること、

を目指していますよね。

 

看護学生向けの教科書には、

健康教育をやる目的として、3つ書かれています。

 

それは・・・

 

(1)知識の習得・理解

(2)態度の変容

(3)行動の変容

 

 

対象者にこの3つを起こすことができれば、

対象者の行動が変わり、

行動が継続され、

その結果として対象者のQOLが向上する、

という流れができます。

 

つまり、

効果が期待できる健康教育にすることができる

というわけです。

 

 

これを肥満改善の健康教育を行う場合を例に説明してみます。

 

1つ目の【知識の習得と理解】というのは、

まず対象者さんが、

肥満のメカニズム、肥満になる原因、肥満によっておこる健康障害など、

肥満に関連した正しい「知識を習得する」すること。

そしてそれをもとに、

どうして自分が肥満になってしまったのか、

このままでもいいのか、

どうなれば自分にとっていい状態なのか、

そういう視点から自分を振り返ることによって、

自分が肥満を改善することの「意味や意義を理解する」こと。

 

知識というのは知っただけでは残らないです。

知識を知って、それを自分事として理解するところまで

もっていく必要があるんですね。

 

 

そして、2つ目は【態度の変容】です。

対象者が自分の状態を理解したことによって、

ああこのままではマズイな、肥満を改善したいなと。

自分の内側から動機づけされて、

何とかしたいと思えば、

対象者の態度が変わるわけですね。

 

態度という言葉が分かりにくければ、

認識とか関心とか、

言い換えてイメージしてもらってもいいです。

 

 

そして3つ目は【行動の変容】です。

肥満を改善するために、

ジムに通ってトレーニングするとか

食事は腹八分目に控えるとか、

間食はやめるとか、

そういう肥満改善に

必要な、具体的な行動ができるようになります。

 

 

この健康教育の3つの目的が全部揃っていれば、

対象者は、

健康教育の後で自ら、

どういう行動をすればいいのか、

どういう行動をやめたほうがいいのか、

正しい知識に基づいて判断し、

実際に行動を起こすことができるようになっています。

 

なおかつ、

自分の中に確かな態度、動機づけが起こっているので、

行動は継続されます。

 

 

自分の健康教育で、

対象者にこんな変化をもたらすことができたら、

どんなにいいでしょう(笑)

 

実際にはこんなふうにうまくいくことばかりでは

ありませんもんね。

 

ただ、対象者に期待したような効果が出なかったときでも、

この3つの目的は役に立ってくれます

 

 

私は、健康教育のこの3つの目的を知る前は、

健康教育後に対象者に期待したような変化や効果が見られないと、

「ああ、私の健康教育はダメだ、失敗だ。もう健康教育やりたくないよ」

って、やみくもに落ち込むだけでした。

 

しかし、今は違います!

(いや、多少は落ち込んじゃうんですけど・・・)

 

 

健康教育をやってみて、

もし期待した効果が見られなかったとしたら、

健康教育の中で

この3つの目的のどれかが足りなかったのではないか?

と考えてみてください。

 

3つの目的のどこが足りなかったのか?

という視点で健康教育の内容を振り返ってみるんですね。

 

これだと客観的に振り返ることができるので、

あまり落ち込まずに、

改善点を考える思考に切り替わりやすいです。

 

これを繰り返していくうちに、

自分の健康教育の得手・不得手がわかってきます。

 

ちなみに私は、

「行動の変容」のところで具体策を提示するのが

下手なんだなぁと思ってます。

だから、必要性はよくわかってもらったのに、

対象者は何を行動すればいいかわからなくて、

結局、行動してくれてないってパターン・・・
(>_<)

 

でも、「知識の習得・理解」のところは上手です。

そうやって自分をなぐさめ、励ましています(笑)

 

ウィークポイントを見つけて改善するのもいいですし、

ストロングポイントを見つけて、

それを持ち味にするってのもありですよね。

 

 

今日は健康教育の3つの目的をご紹介しました。

 

健康教育の質をあげることももちろんですが、

健康教育の苦手意識を和らげる効果もあります。

 

最後に、

私が主催している健康教育のセミナーの中で

ご紹介しているスライドを特別に公開します(笑)

 

一覧で見ると、文章での説明とはまた違う角度から、

記憶に残るのを助けられるかな~と思ったので・・・

 

 

 

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