「健診結果で糖尿病の疑いがあると言われた」
とか、
「今月は歯科検診が予定されている」
とか、
産業看護の仕事をしていると、
「けんしん」の話題が多いですよね。
私は最初は臨床看護をやっていて、
中途採用で産業看護の業界に入ったのですが。
新米産業看護職だったころ、
不思議で仕方なかったことがありました。
それが「けんしん」の使い分けです。
「けんしん」には「健診」と「検診」がありますよね。
当時、勤めていた会社では、
労働安全衛生法による一般定期健康診断と一緒に、
がん検診も受けることができました。
健診の準備をしているとき、
前もってがん検診の希望を調査したりとか、
健診日程のご案内の通知を作成したりとか、
「けんしん」を文字で書くことがけっこう多くて。
うっかり変換間違いのまま印刷しちゃって、
修正液で何枚も修正作業する羽目になったことも
ありましたっけ(笑)
なんで「健診」と「検診」があるんだろうな~、
って不思議に思いつつ。
恥ずかしながら、当時は、
「けんしん」ごとに根拠法令が違うのも知らなかったですし。
かといって積極的に調べたりもしなかったですし。
そして数年後、何がきっかけだった忘れましたが、
「健診」と「検診」の意味を知ったときは、
\(^▽^)/ ←こんな感じで、
思わず感動しちゃったのは覚えています(笑)
「けんしん」には、健康の「健」を使う「健診」と、
検査の「検」を使う「検診」がありますよね。
この使い分け、意識してましたか?
この2つの区別ははっきりしていて、
健康の「健」を使うのは、
「健康診断」や「健康診査」の略のときです。
健康の「健」を使う「健診」は、
“健康状態を総合的にみるためのもの”という意味です。
そしてもう一方の、検査の「検」を使う「検診」は、
“特定の疾患の有無をみるもの”という意味です。
例えば、胃がん検診、乳がん検診などのがん検診とか、
骨粗鬆症検診、歯周病検診などがあります。
「検査+診断」⇒「検診」という意味なんでしょうかね。
「健」か「検」か、字を間違えないことも
もちろん大事ですが(笑)
私たち産業看護職は、むしろ、
この2つの意味のほうに注目したいです。
~~~~~~~~~~
「健診」
↓
“健康状態を総合的にみるためのもの”
↓
その人の健康状態を総合的に判断して、
さらにいい状態に向かうように活用する。
~~~~~~~~~~
つまり、「この検査値だともう糖尿病ですよ」
と説明して受診勧奨するだけじゃ、
「健診」の本来の意義を発揮できてないんですよね。
それって、ちょっと残念です。
~~~~~~~~~~
「検診」
↓
“特定の疾患の有無をみるもの”
↓
もし結果で異常が疑われたら、
確定診断や治療まで行って完結になる。
~~~~~~~~~~
つまり、アメとムチを駆使してでも、
全力で説得して、受診してもらってこそ、
「検診」の本来の意義を果たすことができるわけです。
保健指導で受診勧奨するときも、
「健診」と「検診」の意味を踏まえると、
メリハリがつきますよね。
(^_^)
ちなみに、余談ですが・・・
健康の「健」を使った「健診」には、
さらに「健康診断」と「健康診査」の2種類があります。
略すと、どちらも「健診」です。
この2つの違いは何でしょうか?
実は中身は同じようなものなんですよね。
なのに、なぜ名称が違うんでしょうか?
すみません。私も知りません(笑)
根拠となっている法律がそう名付けているので、
「健康診断」だったり「健康診査」だったり、
しているそうです。
そして、呼び方には傾向があるようですね。
(全部を調べたわけではないですが)
産業保健や学校保健の分野では「健康診断」が多い
地域保健の分野では「健康診査」が多い
ということらしいです。
で、これらのことをしっかり覚えましょう、
というつもりはないんですが。
仕事で使う場合は正式名称に関わってくるので、
間違えると別物になってしまいますからね。
こういう意味の違いがあることを意識して、
正しく覚えておくとなにかと安心かな。
・・・というお話でした。
(^。^;)
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