選択肢はたくさんあったほうがいい?

新型コロナウィルスの影響で、

買い物に出かけることが減りました。

 

その分、インターネットの通販サイトで、

キーワードを入力してずらっと出てきた商品を、

スクロールしながら見て選ぶ機会が増えたのですが。

 

検索して出てきた商品を見ていても、

なぜか、購入までたどりつかないんです。

 

見て、探して、検討しているうちに、

途中でめんどくさくなっちゃうんですよね(笑)

 

で、数時間も探して検討していたのに、

こんな結論になってしまうのです。

 

「まあ、急ぎじゃないし。今日買わなくてもいいか」

 

しかも、こんなことを何度か繰り返したあげく、

最終的にはどうでもよくなって・・・

 

値段順に並び替えて一番安いものを購入したりとか。

購入すること自体をやめてしまったりとか。

 

さすがに「これは時間のムダだよなぁ」と、

思い始めているところです。
σ( ̄ヘ ̄;)

 

 

 

 

私たちはなんとなく、

たくさんの選択肢の中から選んだ方が、

いい結果になるような気がしますよね。

 

でも果たしてそうなんでしょうかね?

 

実は選択肢がたくさんあればあるほど、

人は迷ってしまうそうです。

 

「どれでも好きなのを選んでもいいよ」と言われても、

たいていはどの選択肢も一長一短なわけで。

考えるほど決めきれなくなるんですって。

 

確かに、通販サイトで商品を検討していて、

候補(選択肢)で出てくる件数が多いほど、

 

迷いが生じてしまうし。

検討に時間がかかるし。

判断基準も複雑になるし。

 

何かを決断するには、

ただでさえエネルギーが必要なのに。

 

選びきれなくて、残念ながらこうなります。

「まあ今回はやめておこう」って。

 

 

例えば保健指導でも、

似たようなことがおこっていませんか?

 

対象者さんに取り組む保健行動を決めてもらうとき、

『いくつかの選択肢を提案してそこから選んでもらう』

という方法をとることがありますよね。

 

なるべくいろんな選択肢を出してあげたほうが、

対象者さんが自分によりフィットしたものを選べると思って、

あれもこれもと選択肢を出してしまいがちです。

 

もちろん、対象者さんがかなり本気でやる気になっていれば、

自ら真剣に検討して選んでくれるでしょう。

 

でもまあ、そうじゃないケースもあるわけで。

(というか、そうじゃないほうが多いわけで)

そうですね~。
まあ、今は特に困ってないので。
もうちょっとこのまま様子をみてみます。

という、わけのわからない返事をもらって、

二の句が継げないとかありがちですよね。

 

えっ、私だけかな?
( ̄_ ̄;)

 

 

 

 

保健指導のその場で、

これから取り組む保健行動を選んでもらいたいなら、

対象者さんがなるべくエネルギーをかけないで

決断できるような工夫が必要なんですよね。

 

まず、選択肢の数は3つくらいがちょうどいいそうです。

 

例えば、こんな3つの選択肢。
 ↓ ↓ ↓
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

A:すごく大変だけどやれば確実に成果が出る方法

B:ちょっと大変だけどそれなりに成果を期待できる方法

C:簡単で苦労しないけど成果が出るかどうか微妙な方法

_______________

 

 

提案する側の私たち看護職の目論見としては、

Aを選んでくれたらいいのにな~。
でも、たぶん選んでくれないだろうけど。

と思っていて。

そうは言っても、

最低ラインとして、Cでもいいから、
とにかく何か選んでもらえればそれでいいか。

とも思いつつ。

でも、どうせなら、

せっかくやるんだから少しでも改善してほしいし、
Bを選んでもらえたらいいのにな~。

と思っている。

 

・・・という感じでしょうか。

 

そして例えば、

あまりやる気のみえない対象者さんに提案するときは

こんな展開になったりします。

 

BとCを並べて提案したら、

Cを選ばれてしまいそうだから、

あえてCは見せずにAとBだけを提案するとか。

 

絶対一つ決めてもらうために、

AとCを見せて「せめてCならできますよね!」

という雰囲気を漂わせるとか。

 

ホントは3つとも提案すればいいのに、

その前に勝手に忖度して減らしちゃったりするんですよね。

でも・・・

 

やる気なさそうに見えても内心では、

「仕方ないからがんばってみようか」

と思ってるかもしれないし。

 

やる気ある風に見せてるけど本当は忙しくて、

「ちゃんとやれる自信がないよ」

と思っているかもしれないし。

 

そういうの見誤ること、わりとありますから。
(^_^;)

 

忖度して(遠慮して)選択肢を絞り込みすぎるのも、

あまり良い手ではないのかもしれません。

 

 

ちなみに、提案の仕方にも工夫があるらしく、

提案の順序をA⇒C⇒Bの順にするといいそうです。

 

ガッツリやる気もあるし、やれる自信もある方は、

Aを選んでくれます。

 

やる気はあまりないんだけど、

やったほうがいいのはわかっていて、

心が揺れ動いている方は、

「Aは無理だけど、Cじゃ意味ないし・・・」

ということで、Bにすごく魅かれたりします。

 

やる気はそれなりにあるけど自信が全然ない方は、

「本心はCと言いたいけど、

やっても結果が出ないかもというのはなんだかイヤだし。

しょうがないからBをやってみるか」

と妥協してくれることもあります。

 

選択肢は多くても決めきれないし、

勝手に忖度して絞り込みすぎてもうまくいかないし。

意外と奥が深い話なんですね。
ε=(^。^;A

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