ピュア産業看護事務所は毎週木曜日に、
定例のメルマガ【ピュア通信】を発行しています。
全世界に発信するにはちょっと恥ずかしいような
今田の体験談や失敗談、勝手に作り出したノウハウ(笑)、
たまには私が産業看護に感じている思い、
などをお話しています。
今日は、最近の【ピュア通信】の中で、
評判がよかったこのテーマ、
『数値の見せ方にも工夫が必要かも』
を、こちらでもご紹介したいと思います。

唐突ですが、ちょっとしたたとえ話をしてみます。
先月から消費税が10%に上がりましたね。
(一部8%のままのものもありますが)
増税後に、私は50,000円のスマホを買いました。
その支払額のことで友人にこんなふうにこぼしたんです。
(1)のパターン
「支払額が“増税前より”も増えた」
(>_<。)
(2)のパターン
「支払額が“2%分”も増えた」
(>_<。)
(3)のパターン
「支払額が“1,000円”も増えた」
(>_<。)
すると友人の反応はこんな感じでした。
(1)のパターン
支払額が“増税前より”増えた。
(>_<。)
そんなのあたり前じゃん。
┐( ̄ヘ ̄)┌
(2)のパターン
支払額が“2%分”も増えた。
(>_<。)
へぇ~、そうなんだ。残念だったね。
( ̄。 ̄)
(3)のパターン
支払額が“1,000円”も増えた。
(>_<。)
え~、ランチ1回分じゃん。もったいないな~!
( ̄□ ̄lll)
もしあなたが友人の立場だったら
どんな反応になりそうでしょうか?
私たちが保健指導や健康教育で、
対象者さんに説明するときにも、
実は、私たちの説明の仕方によって、
これくらい対象者の反応が変わってしまうんですよね。
一生懸命、丁寧に、説明したのに、
対象者の反応が鈍いなというときは・・・
もしかしたら
「説明されたことを現実的にイメージできてない」
ということなのかもしれません。
こちらの指導に対する拒否の場合もありますが・・・
( ̄_ ̄;)

例えば、「喫煙者は非喫煙者よりも寿命が短くなる」
という調査データがあるそうです。
これを喫煙者である対象者に説明する想定で、
(1)のパターンと(2)のパターンでやってみましょう。
(1)のパターン
タバコを吸っていると、
吸わない人よりも寿命が短くなるんですよ。
ふ~ん、そうなんだね。
(2)のパターン
タバコを1本吸うと寿命が5分30秒短くなるんですよ。
1日20本吸う人は毎日110分も寿命が短くなっているんです。
へ~、そうなの。
でも、そう言われてもね~。
まあ、これくらいは反応が変わるでしょうか。
(^_^;)
(1)のように「短くなる」というぼんやりした表現で伝えるか、
(2)のように、数値で「1本あたり5分30秒」とはっきり示すか。
人にもよるかもしれませんが、
数値で客観的に、はっきりと示されたほうが、
現実的にとらえてイメージしやすくなります。
とはいえ・・・
(2)のパターンでも対象者はこう言ってますよね。
でも、そう言われてもね~。
もしあなたが対象者の立場だったら、
「1日110分寿命が短くなっている」というのは、
どういうことか、どれくらい困ったことなのか、
というのがイメージできますか?
ちょっとピンとこないと思いませんか?
私は初めて聞いたとき、
まったくピンときませんでした(笑)
そうなんですよね。
(2)のパターンでは、
数値で客観的にはっきりと示されても、
「それが自分にとってどういう意味があるのか」
対象者はまだイメージできないんですよね。
だからやっぱりどこか他人ごとで、
「そう言われてもね~」
という受けとめになってしまうんです。
そこで、(3)のパターンで説明するとしたら、
どんなふうにできるのか。
あなたなら、どんなふうに説明してみますか?
ちなみに、メルマガ【ピュア通信】でお話したときは、
(3)のパターンで私が説明した内容もお伝えしましたが。
ここでご紹介するのはちょっと恥ずかしい・・・
(^▽^;)

対象者さんに現状を説明するときや、
危険性を理解してもらおうとするときに。
漠然とぼやっとした表現を使うよりも、
数値で客観的にはっきり説明したほうが
現実的にとらえてもらいやすくなります。
ただし、
「その数値の見せ方にも工夫が必要」
ということですね。
対象者がイメージしやすいように数値を加工したり、
身近な話題に落とし込んで説明したり、
そんな工夫も意識してみてはいかがでしょうか。
あなたが「対象者に理解してもらいたい」と思うことが、
より伝わりやすくなると思いますよ。
