「共感疲労」って知ってますか?

 

 

「共感疲労」って知ってますか?

私は知りませんでした。

 

ネットで検索したら、

自然災害の被災者に対して被災していない人が共感疲労を起こしてしまうケースなどで、

以前から注目されていたようですね。

 

私が知ったきっかけは、

学生への講義を準備していて、教科書に載っているのを見たからです。

しかも、今年の話です。

 

そして、これはちゃんと学生に伝えないといけないなと思ったんですよね。

「共感疲労」というものがあるって・・・

 

≪共感疲労とは、看護師が患者とかかわる中で、患者の苦痛や不安に自身のことのように共感し、なんとかしたいと思うようになり、方略を考えるが解決しない、あるいは軽減しない苦しみが続くという葛藤に陥った結果、疲弊して無力感、抑うつ、怒りなどが生じることである。≫

(医学書院系統看護学講座 成人看護学総論より)

 

 

看護の現場で仕事をしたことがある方なら、

多かれ少なかれ、

この説明を読んだだけで思い出すようなエピソードがあるのではないでしょうか。

 

元々、優しくて思いやりのある方が陥りやすい「共感疲労」ですが、

「優しくて思いやりがある」というのは、

看護職に求められる要素の一つですもんね。

 

自分の美徳の一つととらえている人もいれば、

他者から暗に「お前は看護師なんだから当たり前だろう」と、

要求されてしまうこともある要素です。

 

 

産業看護の分野では・・・

産業看護職と対象者さんの距離が、ある意味、近いです。

同じ会社員として

同じ会社・組織の一員として、日常を共有しているうちに、

友人や家族と同じような親近感をもつようになることも珍しくありません。

 

対象者さんが置かれている環境や状況について、

労働に関する部分については多くの情報が入ってきますから。

 

私も対応していて、

思わず相手に感情移入してしまう場面も多かったなぁと思います。

 

私は想像力がたくましい方なので、

さらに勝手にいろんなことを上乗せして、

話を聞きながらもらい泣きするなんて、しょっちゅうでした。
(^▽^;)

 

今思えば、「共感疲労」の一歩手前みたいなこと、

いくつもあったんですよね~。

 

ただ、教科書にはその続きで、

≪共感疲労の状態になると、看護師は精神的な安定を保つために、患者に無関心になったり、距離をおいたりするようになる。看護師が共感疲労の状態にあると、援助者として安定した状態で関係性を築くことが難しくなる。≫

(医学書院系統看護学講座 成人看護学総論より)

 

とも書いてありました。

 

 

過ぎたるは及ばざるがごとし、なんですね。

私たち産業看護職が対象者に共感するあまり、

感情が揺れすぎたり、疲弊してしまっては、

支援も何もあったもんじゃない、ということですよね。

 

 

だからまずは、

「共感疲労というものがある」ということを理解しておくことが、

落とし穴にはまらないための一歩目なのかなと思います。

知らなかったら避けようがないので。

 

そして、共感疲労の予防のために、セルフケアを行うことが必要ですよね。

 

例えば

≪自分自身にも思いやりを持ちケアすること、自分自身の状態に気づくこと、自分自身を許し愛護すること、また、感情移入の境界と制限を学ぶことなどが方法としてあげられる。≫

(医学書院系統看護学講座 成人看護学総論より)

 

のだそうです。

 

もし「自分は共感疲労にはまりやすいな」と感じておられたら、

参考になるでしょうか。

 

 

 

 

ちなみに・・・

 

世の中にはもっと過酷な状況の対象者を相手にしている看護職がたくさんいて、

それに比べたら私なんて・・・

この程度でつらくなってはいけない、

何を甘ったれているんだ。

そんなふうに自分を責めてしまう人がいますが。

 

「あなたのつらさを他人と比較する必要はないんですよ」

 

私は昔、カウンセラーにそう言われて、

救われた気持ちになりました。

それ以来、私はいつもこの言葉でセルフケアをしています。
(^▽^)