昨日は、
「私らしい保健指導のつくり方~アップグレード編~」
のリアルセミナーでした。
昨日のセミナーでは、
「EBN&再現性が確保された保健指導」のつくり方を、
ワークやロールプレイなどの体験を交えまがら、
考えていただきました。
*EBN(Evidence-based nursing):科学的根拠に基づいた看護
参加してくださったY.A.さん。
残暑厳しい中、夏休み最後の日曜日に、
わざわざ時間をつくってセミナーに参加するという向上心には、
本当に敬意を表したいです。
Y.A.さんの感想をご紹介しますね。
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理論に当てはめると、
うまくいったりいかなかったりしたときの客観的な振り返りができるので、
今後の相談力アップのために、
とてもよい材料を教えていただいたと思い、
感謝しています。
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そうなんですよね。
私たちは一応、「プロとして保健指導を提供している」わけですから。
行き当たりばったりとか、
今回はたまたまうまくいったけど次はどうなるかわからない・・・
という保健指導では心もとないわけです。
保健指導の対象者をアセスメントして、
効果的な働きかけをするという保健指導のプロセスを安定化させ、
保健指導の内容や出来栄えのブレをできるだけ少なくしていくこと。
これは、保健指導のプロとして目指したい姿ですし、
自分自身にとっても気持ちをラクにして、
安定して保健指導業務に臨むことができるようになる、
と私は考えています。
昨日のセミナーでは、
ワークの最中に、こんな話題が出て盛り上がりました。
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保健指導に来てもらったんですけど、
対象者さんはすでに運動も食事もしっかり気をつけてらっしゃって、
主治医のところで定期的に血液検査でチェックもしているんです。
もう充分がんばっているし、
本人さんも「もうしょうがないのかな」って言っていて。
私は対象者さんのがんばりを認めて、ほめるくらいしかできなかったんです。
せっかく来てもらったのに、
何も新しいものを渡すことができなくて・・・
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ああ、ありますよね~。
こういうケースで、
「私はいったい何を言えばいいのか?」
って困ってしまうこと・・・
対象者さんはすでにこんなにがんばっているのに、
それ以上に、あれやったらとか、これしてみたらとか、
追い詰めるのもどうかと思うし。
正直、私だって、
「体質的な要因の影響も大きそうだし、あとは薬を飲むしかないのかなぁ」
と思っているし。
かといって、
「すごくがんばってますね」ってほめるだけじゃ、
保健指導になってないよな~。
・・・って。
自分の無力さ・無能さを嘆きたくなってしまいます。
(>_<。)
こうやってまた、
保健指導の苦手意識が育っていってしまうんですよね~。
しかし、こんなとき、
理論がピンチを救ってくれます!!
変化のステージモデルってご存知ですか?
人の行動が変わることを「行動変容」といいますが、
行動変容がおこり、それが維持される過程には、
5つのステージがあるという考え方です。
そして保健指導の場面では、
『対象者の現在のステージを見極めて、それにあった働きかけをする』
という使い方をします。
割とわかりやすい理論なので、
現場でもけっこう使われているようですね。
さて、話題にのぼった対象者さんは
「すでに食事も運動も行動変容ができており、定期的なチェックも実施している」
という模範的な方でした。
このケースの場合、
変化のステージモデルのどのステージにいると判断しますか?
ちょっと考えてみてください。
・・・、
・・・、
・・・、
たぶん、
「維持期」かもしくは「実行期」だろうな
と判断した方が、多かったんじゃないでしょうか。
私もそう思います。
では、
「維持期」や「実行期」の対象者への働きかけは、
どうすればいいのでしょうか?
「維持期」の対象者への働きかけの目標は、
『再発予防のための問題解決』
働きかけの内容は、
『問題解決の技術と社会的、環境的支援、セルフモニタリングやソーシャルサポートを利用する』
「行動期」の対象者への働きかけの目標は、
『行動変容の決意が揺らがないようにフォローする』
働きかけの内容は、
『行動的な技術トレーニング(褒美、セルフモニタリング)とソーシャルサポート(社会的支援)を利用する』
ということになっています。
つまり、ざっくり言うと。
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すでに行動変容がおこっている対象者への支援とは、
「行動を継続してもらうこと(それによって再発を予防すること)」
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と、とらえることができそうですね。
人は、自分なりにがんばっているのに目に見える成果が出ないと、
「がんばっていてもムダなのか。だったらもうやめよう」
と思ってしまうことが少なくありません。
実際は、がんばっているからこそ、
現状維持ができているのかもしれないのに。
それに、せっかく身についたよい健康行動を、
やめてしまうのはもったいないですよね。
対象者のがんばりを認めて、
ほめて、支持して、励ますことで、
継続できるように対象者のモチベーションを高め、
継続を邪魔しそうな障害の芽を見つけて、
その解決法を一緒に考える・・・
これって、よ~く見てください。
ちゃんと「維持期」や「実行期」の対象者への働きかけの内容に基づいて、
「行動を継続してもらうこと(それによって再発を予防すること)」
という支援になっていますよね?
わかりますか?
「認めて励ますしかできなかった、何も新しいものを渡せなかった」
というわけじゃないんです。
理論(変化のステージモデル)に照らし合わせてアセスメントしてみれば、
「自分がやった保健指導はちゃんと意味があった」
ということを納得できると思います。
そして、なによりも、
このことを自分自身が理解し、意識していることが重要です。
それが「EBN&再現性を確保する保健指導」になるわけですから。
次に同じようなケースの保健指導をするときは、
保健指導の目標を明確に意識したうえで、
自信をもって臨めるようになっているはずですよ!!
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『講師をつとめる健康教育で、参加者の満足度を上げる6つのコツ』
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